前回、J1リーグ開幕戦の見所をJサポになりたてさん向けに5試合をさらっとプレビューしました。今回も移籍選手を中心として残り4試合の見所を書きます。
サガン鳥栖 vs 柏レイソル
2月25日(土)14:00キックオフ@ベストアメニティスタジアム(ベアスタ)
虎視眈々と九州初のJ1制覇を狙う
フィッカデンティ監督2年目となるシーズンを迎えるサガン鳥栖。
去年は序盤はシステムの違いなどで戸惑いを見せ、下位に低迷するも2ndステージは優勝を狙える位置までチームを作り上げてきました。J1リーグ戦九州初の王者を目指す準備は整っています。
主将のMF金 民友(キム ミヌ)が兵役に伴う退団、日本代表GKの林彰洋がFC東京へ移籍、その他にも全18名がチームを去りました。
新戦力は完全移籍で、J2名古屋よりMF小川佳純、横浜FMよりDF小林祐三、仙台からMF水野晃樹、ベルギーから5年ぶりのJリーグとなるMF小野裕二をそれぞれ獲得しています。
また、川崎からMF原川力を期限付き移籍で獲得しました。
今年に入って2名の選手を獲得
FC東京を退団して海外へ移籍クラブを探していた、元日本代表GKの権田修一を2月6日に完全移籍で獲得というリリースは驚きでした。
また、一度契約を交わしたFWカビルを契約解除、1月にアルゼンチンより190cm長身のDFフランコ スブットーニを完全移籍で獲得。ゴール前にそびえ立つ壁として期待が持てます。
柏が古巣の選手が5人
柏から完全移籍のMF太田徹郎は、同じく元柏の同僚MF谷口博之、DF藤田優人と共に古巣との開幕戦に燃えていることでしょう。
そして、新加入の小林祐三、水野晃樹も柏に在籍したことがあり、因縁めいた一戦となるかもしれません。
柏はACL出場を懸けてリーグを戦う
2年目となる下平隆宏監督が率いる柏レイソル。2017シーズンは念願のACL出場を見据えた結果を残すべく、リーグ戦に挑むことになります。
若い選手を中心としたチーム作りに徹したクラブは、タイトル経験者を含めて8名の選手を放出しました。
新加入は仙台よりFWハモン ロペス、デンマークから韓国代表の経験を持つDFユン ソギョンを獲得。その他はJ2山口よりDF小池龍太、FW大島康樹がJ3富山の武者修行から復帰と若手をチームに加えました。
さらにルーキーで流通経済大学から長身のDF橋口拓哉、下部組織U-18からDF古賀太陽が入団しました。
名実ともにレイソル(太陽王)となるべく、古賀選手には活躍して欲しいですね。
セレッソ大阪 vs ジュビロ磐田
2月25日(土)15:00キックオフ@ヤンマースタジアム長居
2015年シーズンJ2で熾烈な戦いを繰り広げた両者がJ1の舞台で開幕戦で激突します。
ジンクスを破って上位進出できるか
2年連続でJ1昇格プレーオフ決勝へ進出、岡山を下してJ1のきっぷを手にしたセレッソ大阪はクラブOBである尹晶煥(ユンジョンファン)を監督に招聘、3年ぶりとなるJ1リーグを戦います。
過去、J1昇格プレーオフ勝者は1年でJ2へ降格しているデータがあります。このジンクスを破って一桁順位である9位をクラブは目標としています。
しかし、尹監督は「6月ごろに良い位置につけていれば、さらに欲を持つ」と、鳥栖をJ1に定着するクラブに育て上げた手腕を垣間見せるコメントを発表しました。
セレッソの移籍情報
2015年のJ1昇格プレーオフで先制ゴールを挙げたFW玉田圭司がJ2名古屋へ完全移籍、FW田代有三もクラブを去り、2月18日にオーストラリアでプレイする可能性があると報道がありました。
新加入選手で注目するのは、FC東京からMF水沼宏太を期限付き、スペインのセビージャより日本代表のMF清武弘嗣を完全移籍で獲得。清武は5年ぶりの古巣復帰となりました。
韓国Kリーグ仁川から完全移籍のクロアチア出身のDFマテイ ヨニッチにも注目です。
強豪復活にかけるサックスブルー
3年ぶりのJ1リーグを戦ったジュビロ磐田は、昨シーズン残留を果たしました。
イングランド代表経験のあるチーム最多の14ゴールを挙げたFWジェイがクラブの方向性の違いで退団するも、MFアダイウトン、GKカミンスキーはクラブに残留。
さらにウズベキスタン代表経験のあるMFムサエフを完全移籍で獲得。ジェイの穴を埋める活躍が期待されます。
再び相見える二人の天才レフティ
なんといっても、一番の注目は元日本代表レフティで指揮官名波浩監督と同じく10番を背負ったMF中村俊輔が横浜FMより完全移籍で加入したことでしょう。
クラブの方針に疑問を感じ、熱心にオファーをくれた名波監督の下でプレーすることを選びました。
日本代表でも一緒に戦った天才レフティ同士が、監督と選手の関係で再び相見えることに。どんなサッカーを見せてくれるのかドキドキしますね。
他には、J2名古屋からFW川又堅碁を、神戸よりMF高橋祥平を共に完全移籍で獲得。
J2を戦ってきた若手やベテラン、それに新戦力の選手達が融合して上位進出をうかがいます。
大宮アルディージャ vs 川崎フロンターレ
2月25日(土)16:00キックオフ@NACK5スタジアム大宮
着実かつ確実にヒトケタ順位を目指す
J2優勝で1年での昇格を果たした大宮アルディージャ。
昨シーズン、J1リーグを戦いクラブ史上最高位の5位をマーク。この成績がフロックと言われないためにも、今シーズンの戦いは非常に重要なものになります。
しかし、クラブは「勝点50以上で9位以内」と弱気ともとれる目標を掲げていますが、これを弱気と取るか、謙虚と取るのか。
渋谷監督は「ここから10年をしっかりヒトケタ順位で戦えるチームにしないといけない」と話しているところから、あくまでも目標は最低ラインと言えるでしょう。
大宮移籍情報
MF家長昭博は開幕戦の対戦相手となる川崎に、MF泉澤仁はガンバ大阪へそれぞれ完全移籍で放出、その他3名の合計5名がチームを去りました。
柏からMF茨田陽生、清水からFW大前元紀、J2湘南からMF長谷川アーリアジャスール、J2群馬から瀬川祐輔を完全移籍で獲得。
着実かつ確実にヒトケタ順位を目指しつつ、その先にあるタイトルも見据えて戦います。
シルバーコレクターとは呼ばせない
川崎フロンターレの2016年シーズンは1stステージの優勝目前で、鹿島にその座を譲ってしまいます。
そして、2ndステージを3位で終えると年間勝ち点2位でチャンピオンシップに進出しますが、準決勝で年間勝ち点3位(1stステージ優勝)の鹿島と対戦、1-0で敗れて3位という結果となりました。
フロンターレは、去年のように優勝を目前としながらも、その栄冠を勝ち取ったことがなくシルバーコレクターと呼ばれたりすることがあります。
新体制のフロンターレ
昨年まで5シーズン指揮を執っていた風間八宏監督が退任(今シーズンはJ2名古屋を指揮)、新監督に現役はフロンターレで引退、昨年はヘッドコーチだった生え抜きの鬼木達監督が就任しました。
チームのストライカーFW大久保嘉人がFC東京へ完全移籍をするも、ブラジルよりストライカーFWハイネルを期限付きで獲得しました。
その一方、MF小林悠は他クラブからの破格のオファーを断ってクラブに残留。今年はMF中村憲剛からキャプテンの座を代わってどのようにチームを引っ張っていくでしょうか。注目が集まります。
新加入は大宮から古巣との対戦で恩返しゴールに期待がかかるMF家長昭博をはじめとして、ガンバ大阪からMF阿部浩之、新潟からMF舞行流ジェームズを完全移籍で獲得、
岐阜から期限付き移籍をした将来性が期待されているGKポープ ウイリアムですが、韓国代表GKチョン ソンリョンの牙城を崩すことができるか注目しています。
ガンバ大阪 vs ヴァンフォーレ甲府
2月26日(日)17:00キックオフ@市立吹田サッカースタジアム
長谷川監督と再びアジアの頂点を目指す
2016年は無冠に終わったガンバ大阪。プレーオフからACL本戦出場が決まり、2008年(当時は西野朗監督)以来2度目のアジア制覇を目指します。
もちろんリーグ戦の優勝も視野に入れたチーム作りがおこなわれました。
ガンバの移籍情報
兄貴との愛称でチームのみならずファン・サポーターからも愛されたDF岩下敬輔が福岡、ジュニアユースから生え抜きのMF大森晃太郎と、クラブ生え抜きのMF阿部浩之が、同じく関西クラブの神戸に移籍しました。
開幕戦の対戦相手となる甲府にMF小椋祥平、J3栃木にMF岡崎建哉がそれぞれ完全移籍、その他、DF西野貴治がJ2千葉、MF内田達也がJ2東京Vに期限付き移籍となっています。
新加入は、横浜FMよりDFファビオとGK鈴木椋大、清水よりDF三浦弦太、大宮よりMF泉澤仁を完全移籍で獲得。豊富な選手層を誇るガンバが再びアジアの栄冠を目指します。
4年連続のJ1残留。5年目に進化を見せたい
終盤まで降格争いに転じたヴァンフォーレ甲府の2016年シーズンですが、最終戦、他試合の結果を受けてかろうじて残留を果たしました。
シーズン終了後、副社長とゼネラルマネジャーを兼務していた佐久間監督が退任(副社長とゼネラルマネジャー職は継続)。新監督に2015年は柏、2016年は新潟を指揮した吉田達磨氏を招聘しました。
甲府の移籍情報
広島へ完全移籍となったMF稲垣祥をはじめとした10名がチームを去りました。
新戦力はガンバとの古巣対戦となるMF小椋祥平、下部組織からの元生え抜きMF堀米勇輝が京都から、水戸からMF兵働昭弘、仙台からFWウイルソン、ブラジルよりDFエデル リマを完全移籍で獲得。
さらには吉田監督チルドレンのMF島川俊郎がJ2山口より(昨年は期限付きでJ3栃木でプレー)完全移籍で加入、柏のU-18時代の教え子となります。
その他、北信越リーグ1部のサウルコス福井より3年ぶりに復帰したMF若杉好輝にも期待がかかります。
若手選手がベテラン(今年42歳になるJ1最年長DF土屋征夫ら)から刺激を受けてチームに化学変化が起こるともしかすると飛躍的な結果を残すことができるかもしれません。
テレビ中継
全試合DAZNでインターネット配信があります。その他のテレビ中継についてお知らせします。
- 鳥栖ー柏(NHK佐賀)
- 大宮ー川崎F(テレ玉)
まとめ
今回はJ1リーグ開幕戦のうち、残り4試合のプレビューを書きました。見所を書いていたらサッカーを観るのがとても楽しみで早く開幕して欲しい!という気持ちです。
ガンバ大阪vsヴァンフォーレ甲府の試合のみ、25日(日)のキックオフとなりますので、お気をつけください。