フリーランスとして活動するにあたって、最初にぶつかる壁はクライアントからの「見積もりをください」という嬉しい依頼です。
しかし、会社員として決められたルールの中で働いていると、いざ価格を提示しようとしても一体いくらで設定すべきなのかまったく分からなかったのです。
仕事が取れる見積書の値段設定とは。私がフリーランスになって、どのように見積書を作成してきたのかまとめてみました。
目次
市場の価格を調査する
まずは、市場の価格を調査をおこないました。
個人法人問わずにサービスを提供している競合相手をネットで検索するのです。参考にするのは近隣地域の業者やサービスの内容が近いサイトが良いでしょう。
価格を表示しているサイトが大半ですので、簡単に情報を手に入れることができます。
調査をしていると「価格はお問い合わせください」としているサイトもあります。
このようなサイトは価格を打ち出さない戦略を取っています。営業力に自信があるか、顧客の個人情報を得たいという目的が考えられます。
いずれにせよ競合とならない業者ですので、他のサイトを探しましょう。
最安値を把握する
注目すべきは最安値です。
業者の規模やサービスの詳細内容に違いはあれども、おそらく最安値の業者は同じような個人事業者や零細企業でしょう。
なぜ個人法人問わずに調査をするのかというと、いずれはこの価格をもらえるようになりたいという目標にするのです。
そのうえで、自分がいま仕事でもらえる金額を理解することで、向上心を持って仕事に取り組みことができます。
はじめての依頼であれば価格で勝負
クライアントがなぜ自分に依頼をしてきたのかということを考えると、まだ実績がないうちは価格で勝負に挑むしかありません。
潤沢な予算があれば有名な業者に依頼をするでしょう。まずは価格が抑えられるのであれば。という、クライアントの気持ちを汲み取る必要があります。
そのうえで、自分が仕事に対しての価値をどれだけ提供すればよいのかということです。
最安値の8割で提示
私は仕事を取るために、最安値の8割で見積書を作成してきました。
その代わり納期を少し長めに取るのです。そうすると工数に対する価格単価を上げることができるからです。
オプションとして、短納期での納品を希望する場合の価格も提示します。この価格は本来これぐらいもらえると助かるという価格になるように上乗せします。
継続して仕事がもらえそうな場合
クライアントとやりとりをする中で、今後も継続して仕事をもらいたい。仕事がもらえそうだという感じであれば、値引きのオプションで対応します。
本来もらいたい価格を打ち出して、今回は初回割引という形で市場の最安値から8割の価格を提示するのです。
そして、最高のパフォーマンスで納品します。クオリティややりとりに満足したクライアントさんはリピートをしてくれるでしょう。
見積価格に自信が持てない場合
自分が出す見積もり価格に自信が持てない場合は、あらかじめ予算を聞いてしまうのも良いでしょう。
「通常これくらいいただいておりますが、失礼ながらご予算はいくらほどでしょうか」
「お見積もりは概算です。ご予算に併せて対応いたしますので、ご相談ください」
このように見積書にひとこと添えると、「あなたと仕事がしたい」という気持ちがクライアントに伝わります。
実績と信用を得よう
安い価格で仕事を受けると、クライアントさんからの要望に対して「この価格なのに、そこまで求めるのか」という気持ちになってしまうこともあります。
しかし、実績と信用を積み重ねることができます。そのうえに報酬までもらえると考えたら、本当は「丸儲け」なんです。
実績と信用を得ると、そのクライアントはあなたのファンになります。ファンになってもらうといろいろと頼ってくれるようになります。
頼ってくれるということは、仕事を依頼してくれるようになるということです。
利益ばかり追及しない
目先のお金ばかり見ていると、なにかとトラブルに巻き込まれてしまいがちです。
例えばクライアントが求めていたクオリティで納品することができなかったり、納期に間に合わなかったりといったことです。
今まで仕事をしたきた土壌は会社に守られた環境での経験です。
ひとりで仕事を受けて、作業をして、納品をする。そのあとの請求まですべてひとりです。想像以上に大変な作業を伴います。
おそらく、思った以上に仕事ができない、時間が足りないということに直面するのではないでしょうか。
いい仕事をしてくれるからと言われるように
ファンになってくれたクライアントさんから、紹介で仕事をいただくことがあります。
その時に、あなたのことをどう紹介してくれているでしょう。「安くやってくれるから」と紹介されているのであれば、少し考えなくてはいけません。
もちろん、市場より安い価格で見積もりを出していますから、安くやってくれるという理由は当然だと思います。
それに、「安いけど、しっかりとしたいい仕事をしてくれるんだよ」と言って紹介されることを目指して仕事に取り組んでみてください。
与え続ければ与えられます
クライアントに「して差し上げたこと」は必ず自分に返ってきます。「やってしまったこと」も同じように自分に返ってきます。
与えていれば、自分にも与えられます。これはビジネスの基本ではないでしょうか。成果を与えれば報酬が与えられます。
何も宗教チックな綺麗事や絵空事ではないのです。いたってシンプルなことです。
見積もりを出して、仕事を受けたら報酬のことは忘れてクライアントに満足してもらえることを精一杯提供できるようにしましょう。
その際に無理は禁物です。自分ができる範囲で構いません。
まとめ
フリーランスになって最初にぶつかる壁。仕事が取れる見積書の値段設定についてまとめました。
仕事を取るのは難しくはありません。仕事を取って稼ぐ。食べていく為に仕事をすることが大変です。
まずはファンを作ることから始めていく。報酬はオマケだと思って信頼と実績を積み重ねていきましょう。