前回、フリーランサーから開業届を提出して個人事業主となった話を書きました。
開業届を提出した理由のひとつが、確定申告の際に、青色申告をするためでした。今回は、「青色申告で税金面で特典を受けちゃおう!」について、書いてみようと思います。
目次
確定申告とは
こちらは、フライング気味に前回の記事で書いています。
青色申告の特徴
所得の合計金額から納める税金の額と、還付される税金を計算して国へ申告する手続きが確定申告でしたね。その確定申告は「白色申告」と「青色申告」というものがありそれぞれにメリットがあります。
ここであらためて双方のメリットについて見てみましょう。
白色申告のメリット
事前に申請を行う必要がない。
青色申告と比べて提出書類の記載する部分が少ない
2014年1月までは、記帳や帳簿を保存する必要がないということが、大きなメリットだったのですが現在は義務化され、白色申告を選択するメリットが薄れてしまっています。
青色申告のメリット
青色申告特別控除を受けることができる
簡易簿記の場合は10万円、複式簿記の場合は65万円が控除されます。
赤字の繰越しと繰戻しができる
翌年以降、3年間に渡って赤字を所得から繰り越すことができます。
前年も青色申告を行なった場合は、繰越しの代わりに前年の所得金額から控除して還付を受け取ることもできます。
青色事業専従者給与を経費にできる
青色申告者と生計をひとつにしている家族への給料をすべて経費とすることができます。この特例を受けるには、青色事業専従者給与に関する届出書の提出が必要です。
中小企業者の少額減価償却の特例
取得価額が30万円以内の減価償却資産について、確定申告書に明細書を添付することで全額使用開始年度の経費にすることができます(2018年3月31日までの特例)。
貸倒引当金の計上がある
売掛金や貸付金などの年末残高のうち、貸倒引当金として一定額を経費算入できます。
以上が青色申告のメリットになります。こうやって見るだけでも、なんだかおトクな感じがするでしょう?
青色申告をおこなうために
前回の記事にも書きましたが、青色申告をおこなうためには申請が必要となります。
いつまでに申請したらよいの?
青色申告を行いたい年の3月15日までに申請書を提出する必要があります。なお、1月16日以降に開業をした場合は、開業日から2ヶ月以内に申請書を提出することで、青色申告を行うことが可能となっています。
どこに提出したらよいの?
住んでいる地域の所轄税務署へ提出します。
参考国税庁ホームページ「所在地及び管轄」
実際に記入してみましょう
青色申告承認申請書の書き方について、開業届同様に私が実際に提出した控えをサンプルとして説明します。
青色申告承認申請書の記入方法
- 提出する税務署の名前を記入します。
参考税務署の所在地等は、国税庁ホームページの「所在地及び管轄」をご覧ください。 - 提出する日付を記入します。
- 住所地に○印をつけて、郵便番号、住所、電話番号を記載します。
- 氏名、届印を捺印、生年月日を記載します。
- 職業を記載します。僕はライターですので文筆業としました。
屋号が決まっている場合は記載しましょう。
- 申請したい年を記入して、事業所名称と住所を記入します。
メモ僕はSOHOなので記載しませんでした。本来は自宅住所を記入しておくと間違えないでしょう。 - 所得の種類に該当するものに○印をつけます。
- 今までに青色申告の承認の取り消しや、取りやめをしたことの有無を記入します。
- 申請をおこなう年の1月16日以後に事業を新しく開始した場合のみ記入します。
- 相続によって事業を引き継いだ方は「有」に○印をつけて詳細を記入します。
- (1)は商売の取引を記録する簿記方式、(2)は使用する帳簿種類に○印をつけます。
メモ(2)の帳簿種類ですが、「会計ソフトを使用する場合はどうしたら良いですか?」と税務署の窓口担当者へ確認したところ、その他に○印と(3)に『会計ソフト使用』と記入してください。とのことでした。
以上、青色申告承認申請書の書き方をお送りしましたが、疑問点や不安がある場合は税務署で質問してみましょう。丁寧に教えてくれますので安心です。
青色申告承認申請書も控えを
開業届の記事にも書きましたが、提出した書類は返却されませんし、控えを渡してもらうこともありません。あらかじめ2枚用意しておいて双方に受付印を押印してもらって1枚は手元に保管しておきましょう。
これで青色申告ができるようになります
税務署に青色申告承認申請書を提出すると、青色申告ができるようになります。申請書が受理された場合は特に連絡はありません。不受理の場合に限り連絡があります。僕は連絡がありませんでしたので、受理されたことになります。
派遣社員で副業している方にもオススメ
副業を会社から禁止されていない派遣社員さんなども、開業届を提出して個人事業主になった方がいろいろとおトクじゃないかなって思っています。もちろん副業をしていて給与以外の所得が20万円を超える人は確定申告が必要です。
家賃や電気代など事業に関わる部分は経費にできる
開業の届出と青色申告承認申込書を提出して青色申告ができるようになると、事業に関わる家賃や電気代などを経費にすることができます。もちろん個人で使用している部分は経費となりません。事業用と事業以外で使用した分の比率に配分することを家事按分といいます。
サイト 税理士ドットコム
なお、インターネットや携帯代なども事業に関わる利用分は経費とすることができます。副業をして稼いだお金を生活の足しやお小遣いにしている方は、せっかくですから青色申告をして税金面で特典を受けてみてはいかがでしょうか。
まとめ
以上、青色申告の特徴とメリットについてお伝えいたしました。取引があるたびに毎回帳簿をつけるのは大変ですが、開業したばかりは支出が多く赤字となりがちです。青色申告は控除と赤字の繰越ができますので、事業を大きくしていこうと思っている方は必ず申請書を提出して、青色申告ができるように準備しておきましょう。